「五年間の仕事を共にした愛用の革製工具差し、新たな始まりを迎える時。」

新旧交代の刻。 愛用の工具差しとの別れと、新しい出会いへの感謝

「磨り減った革製の工具差し、鉄鋼ハサミとプライヤーが入っていた跡が見える。
さて、皆さん。今日はちょっと、職人心を垣間見せる話をしたいと思いますわ。手元を離れるのはただの道具やない、心を込めて扱う相棒のような存在。私が愛用してた革の2段工具差し、それは、もう5年もの長きにわたり、軽鉄材をパチンと切る鉄鋼ハサミやプライヤーみたいなペンチをしょっちゅう挟んで、腰ベルトにぴったり収まる相棒やったんです。
「五年間の仕事を共にした愛用の革製工具差し、新たな始まりを迎える時。」

あれはもう、新品の時のこしがありながらも、手に馴染む柔らかさで、日々の仕事を支えてくれました。しかし、時の流れと共に革もくたびれてきて、今やその役目を新しい者に譲るときが来たんですな。

このたび新しい工具差しを手に入れたんですが、古いもんを手放す時って、なんとも言えず寂しいものがあります。ええ、この工具差しがあるのとないのとじゃ、腰の感じがえらい違う。使い込んだあかしとしての傷やシミが、どれもこれも愛着湧く歴史でございます。
「五年間の仕事を共にした愛用の革製工具差し、新たな始まりを迎える時。」

「ありがとう、お疲れさん」と、心から言いたい。何度も何度も手を入れ、大事に使ってきたけど、もう新しい子にバトンタッチや。この工具差しには、これからもわての仕事人生の一部として、思い出の中で生き続けてもらわなあかん。

と、いうわけで、新しい工具差し、これからお前もよろしくな。お互い、もっといい仕事ができるように、頑張ろうやないか。これからもこの手で、一つ一つ丁寧に作り上げていくで。さあ、今日も一日、はりきっていこか!